多くの昆虫のからだは、「頭部」、「胸部」、「腹部」の大きく3つに分かれます。脚は、6本あり、翅も4枚あります。これが、昆虫の定義です。
では、アリはどうでしょうか?
アリのからだは、「頭部」、「胸部」、「腹柄節」、「腹部」に分かれます。胸部と腹部の間に「腹柄節(ふくへいせつ)」があるのです。
この「腹柄節」は、全てのアリにあります。大きく2パターンあります。柄節が1つの場合と2つの場合です。ヤマアリ属やハリアリ属は、腹柄が1つです。一方、フタフシアリ亜科は、腹柄節が2つあります。この腹柄節は、ハチから進化したアリのみにあり、ハチを含む他の昆虫にはありません。アリに特化したかたちと言えます。
多くの昆虫と比較して、大きく違うところは、腹柄節だけでは無く、きっと「翅」が無いことでしょう。実は、アリにも翅はあるのです。現在では、多くの場合、オスと新女王が「翅」を持っています。繁殖時期になると、オスと新女王は野外へ飛翔し交尾します。そのために翅を残しているのです。交尾し終わった女王は、自身で翅を落とし新しく巣を作ります。オスは、交尾後力尽きて多くの場合死にます。
働きアリは、交尾する必要ないため初めから「翅」はありません。繁殖分業を得たアリだからこその究極のかたちなのです。翅が無いという「進化」と言えます。