アリに関するオリジナル資料です。ご活用ください。


アリのかたち

 多くの昆虫のからだは、「頭部」、「胸部」、「腹部」の大きく3つに分かれます。脚は、6本あり、翅も4枚あります。これが、昆虫の定義です。

 では、アリはどうでしょうか?

 アリのからだは、「頭部」、「胸部」、「腹柄節」、「腹部」に分かれます。胸部と腹部の間に「腹柄節(ふくへいせつ)」があるのです。

 この「腹柄節」は、全てのアリにあります。大きく2パターンあります。柄節が1つの場合と2つの場合です。ヤマアリ属やハリアリ属は、腹柄が1つです。一方、フタフシアリ亜科は、腹柄節が2つあります。この腹柄節は、ハチから進化したアリのみにあり、ハチを含む他の昆虫にはありません。アリに特化したかたちと言えます。


 多くの昆虫と比較して、大きく違うところは、腹柄節だけでは無く、きっと「翅」が無いことでしょう。実は、アリにも翅はあるのです。現在では、多くの場合、オスと新女王が「翅」を持っています。繁殖時期になると、オスと新女王は野外へ飛翔し交尾します。そのために翅を残しているのです。交尾し終わった女王は、自身で翅を落とし新しく巣を作ります。オスは、交尾後力尽きて多くの場合死にます。

 働きアリは、交尾する必要ないため初めから「翅」はありません。繁殖分業を得たアリだからこその究極のかたちなのです。翅が無いという「進化」と言えます。


◆参考文献◆


アリの種類

 地球上にアリは、何種類いるのでしょうか?実は、名前がついている(生態が明らかになっている)種で、1万5千種類以上います。名前がついていないアリを含めると2万種類を超えると言われています。

 では、私たちが住んでいる日本には、アリは何種類いるのでしょう?なんと!295種類が発見されています。日本はアリ大国なのです。

  これらの種には、学名がつけられています。世界共通の名前です。学名をもとに分類名がつけられています。分類を階層的に分類することによって、種の類縁関係や進化の系譜をみることができます。

 では、どのようにして、生物は分類されているのでしょうか?

 右の図は、動物の分類階級表です。例えば、ハダカアリの場合は、右の図のように分類することができます。

階級  ハダカアリの場合
 界(かい)  動物界
 門(もん)  節足動物門
 網(もう)  昆虫綱

 目(もく)

 ハチ目

 科(か)

 スズメバチ上科

 アリ科

 (ぞく)

 ハダカアリ属

 (しゅ)

 ハダカアリ

 この表をみると、アリは、ハチと同じ仲間に入ることがわかりますね。


◆参考文献◆